オレオレFPGAボードを作る話(その1):FPGAの選定

技術者たるもの、知識を渇望するのは 性(さが) だと思う今日この頃。

評価ボードや他人が設計したFPGA基板は日常的に触っているが、「FPGAの上で回路設計するだけ」 では見えない世界があるとなんとなく思っていた。

電源まわりや差動信号の引き回しを、思い通りに扱えるようになりたい。
そして、いつかはそういう領域まで自分のスキルにしたい。

で、こう思った。

せっかくだから、自分だけのFPGAボードを作ってみよう。

というわけで、今回のテーマは「オレオレFPGAボード」。


目標

いきなりDDR付き高機能ボードを作っても挫折するのが目に見えているので、最初は

  • Lチカができるだけ
  • +α くらいの

超シンプルな基板を目指す。

まずはここからスタート。


FPGA の選定基準

今回の FPGA 選定基準はシンプル。

  • 安い
  • 小さい
  • 基板設計の難易度がそれほど高くない

というもの。

この基準で考えると、AMD(旧 Xilinx) や Intel(旧 Altera)のハイエンド FPGA は チップ価格が高い / ピン数が多い という理由で候補から外した。

高機能なのは魅力だけど、基板設計するぞ!という初心者の第一歩にはハードルが高い気がする。

その代わり候補に挙がったのが、

  • Efinix
  • GOWIN

などの小型 FPGA。

せっかくなので、以前ちょっと触ったことのある Efinix を採用することにした。

公式サイトはこちら → https://www.efinixinc.com/jp/index.html


Efinix のファミリ

Efinix の FPGA は大きく分けて

  • Titanium
  • Topaz
  • Trion

の三つのシリーズがある。

自分の理解としては、

  • Titanium:高性能・演算系向け
  • Topaz:中くらい
  • Trion:低コスト・小規模

という位置づけ。

いちばん安そうで、基板設計の最初にぴったりそうなのが Trion だと思った。

(正直、この辺は資料を見ながら判断しただけなので、今後より深掘りする予定)


Efinix FPGA のシリーズ比較(ざっくり)

以下の表はChatGPTに調査してまとめてもらった(正確さはしらん)。

ファミリ主ターゲット代表的なハード機能/プロトコル(例)公開価格例(2026/3/1時点)
Trion低電力・小型・低コストの汎用ロジック(モバイル/IoT/産業等) (Efinix)SKUにより MIPI CSI-2、DDR(DDR3/LPDDR系)、LVDS等 (Efinix)T8F81C2: ¥1,256(税抜,1個) (DigiKey) / T20F256C4: ¥1,894(税抜,1個) (DigiKey)
Topaz高ボリューム主流用途(mass-market) (Efinix)PCIe Gen3 / MIPI / LPDDR4 / LVDS(等) (Efinix)TZ50F100C2: ¥4,416(税抜,1個) (DigiKey) / TZ50F256I3: ¥6,983(税抜,1個) (DigiKey)
Titanium高性能・演算集約・AI/エッジ用途 (Efinix)ハードRISC-V、SerDes、LPDDR4/4x、MIPI D-PHY等(SKU依存) (Efinix)TI60F100S3F2I3: ¥7,321.6(税込,単価表示) (DigiKey)

あくまで ざっくり だが、「値段感」と「規模感」はつかめる。
ここから、今回採用するのは Trion シリーズ


Trion の中でもどれを選ぶか

Efinix の Trion Selector Guide を眺めながら、今回は

T8F49C2

というチップを採用候補にした。

Selector Guide の情報によると、

  • 約 7,384 Logic Elements
  • 約 122.88 kbit RAM(24 ブロック)
  • 8 個の乗算器
  • 約 33 個の GPIO

というスペックらしい。

これだけあれば、Lチカとちょっとしたロジック は十分できそうだ。


電源まわり

FPGA と言えば、電源シーケンスが複雑なイメージがあるが、Trion T8 シリーズは割とシンプルな印象。

秋月電子で売っている T8F81 DIP 化モジュールキット の回路図を見ると、

  • LDO 2 個
  • 電源シーケンス制御用 MCU なし

という簡単構成。

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「本当にいけるの?」と思ってしまうくらいシンプルだが、まずはこの程度で動くらしい。


ピン数について

T8F49C2 は 49 ボール BGA

Trion のパッケージガイドを見ると、

  • ピン数が少ない
  • 配線が比較的楽

という良い面がある。

Lチカ程度ならこれで十分だと思う。


まとめ

今回の方針はかなり ぬるま湯寄り

  • FPGA:Efinix Trion(T8F49C2)
  • 理由:安い・小さい・設計しやすい
  • 電源:シンプル構成でもなんとかなるはず
  • 目標:まずは動かす

いきなり大作を目指すのではなく、基板設計の雰囲気が分かる程度のボード から始める。

次回は データシートを読み回路図を書く


資料(読みながら書いた)

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